2016年2月28日日曜日

越前岳 (愛鷹山)



富士山を眺めに越前岳に登ります。
越前岳は標高1504.2m、富士山南麓に1000m~1500mの山々からなる愛鷹山塊の最高峰です。
駿河湾に向かって北から南に延びる山群の最も北側にあって、登山口は東西南北に拓かれています。
今回は北の登山口、最短距離の十里木高原登山口から上ります。
登山口駐車場に着くと、先ず目の前に大迫力の富士山が、圧倒されます。





 

最も富士山に近い登山道は、急な階段登りから始まります。
展望台が設けられた、駐車場から15分のここまでは、観光客も上ってこられます。

ぱっくりと口を開けた宝永火口と宝永山、富士山が火山であることを実感します。
私の地元では、富士山の火山灰を使ってご先祖様への道しるべを造る、「盆の辻」の習わしが残っています。







富士山と裾野の光景。
世界に誇る自然遺産ですね。

そういえば、フリッピンからの登山グループに出会いました。
富士山の世界遺産登録は周辺のマイナーな山にも波及し始めたのでしょうか。






馬ノ背に着くころは富士山に雲がかかりはじめました。
尾根道は斜度を増して、落葉樹のブナや常緑樹の馬酔木の樹林帯を進みます。







一服の間に、富士山が落葉の木の間に顔をのぞかせます。
暖かい日に、足元の雪が程よいクッションで快適登山です。







越前岳の山頂は5月から6月にかけてアシタカツツジの花に包まれます。
三角点が示す南側は大きく開けて、駿河湾や沼津市街から伊豆半島など眺望抜群の陽だまり広場ですが、きょうは10時過ぎから雲が広がって景色も陰りがちでした。

風も強くなって体感温度も下がってきたので、おむすびを1つ食べると下山します。


2016-02-27 登山


2016年2月16日火曜日

鐘ヶ嶽 弁天御髪尾根から北尾根


上谷戸の集落から眺める鐘ヶ嶽





2016年02月13日  時々

【山名】鐘ヶ嶽 標高561.1m

【山域】東丹沢

【コースタイム】
伊勢原バス停7:35=7:57広沢寺温泉入口バス停8:40…広沢寺温泉駐車場9:15…大釜弁財天尾根取り付き
…10:00南沢林道…10:11弁天の森キャンプ場・弁天御髪尾根取り付き10:13
…10:33見晴らし広場10:37…10:43下弁天10:51…10:54中弁天11:01…11:07上弁天11:09
…11:20弁天見晴11:26…11:34見晴広場B11:36…11:40見晴広場A12:10…12:16見晴広場B12:20
…12:47山の神峠12:50…13:14鐘ヶ嶽山頂13:23…13:48福神山…13:50…14:36三角点峰14:40
…14:56アンテナ…15:22清川村バス停16:05…16:50本厚木駅

鐘ヶ嶽に最後に上ったのがいつかは思い出せませんが、鐘ヶ嶽北尾根は「神奈川県立青少年の家」催行の地図読み講習で初めて上ったことを覚えています。
弁天御髪尾根を上った当時は厚木市営の「七沢弁天の森キャンプ場」にまだ活気がありました。
鐘ヶ嶽山麓の北と南にあった両施設が閉鎖・休止して久しいと聞くと、随分ご無沙汰していたようです。







無料の広沢寺温泉駐車場は50台が駐車でき、公衆トイレもあります。
農林業関係の行事に参加する人たちで賑っていました。





舗装路の二股を右へ、二ノ足林道方面に入って直にこの標柱に出会います。
ここを左に、初めて辿る大釜弁財天尾根に入ります。






踏み分けはしっかりついていますが、落ち葉が滑る急な登りで稜線に出ます。
標高270mくらいまで登ってきた辺り、痩せた尾根の下に弁天岩がそそり立っているようです。
一時期、足繁くトレーニングに通いましたが、最近はとんと…潮時ですね。






尾根を横断する南沢林道に降りると、
尾根には這い登らずに林道をそのままキャンプ場方面に歩いて、広場の手前で弁天御髪尾根の枝尾根に取り付きます。
広場に積まれた丸太を見たとたん、秋田と岩手県境の山、真昼山の美しく積まれた丸太の光景がよみがえりました。







急な植林地を息を切らして登ると2つ目の鹿柵を潜って尾根をトラバースします。
古い作業綱が下がる急坂をひと頑張りすると弁天御髪尾根の稜線に出ます。






標高450mの見晴広場は巨木が目を引く広がりです。
落ち葉のふかふか感を土踏まずに感じながら大樹に近づくと
尾根の東側の谷間の集落、広沢寺(こうたくじ)温泉を見下ろします。






足元が脆く滑りやすい一角を注意して登ると、標高515mの下弁天です。
土管にマジックで「下弁天」の表記があります。
リーダーがオニシバリの花を見つけて、撮影許可が下りました。
花芯のオレンジ色が映ってない、折角のリーダーの計らいも成果なし、ボウズです。
そうオニシバリは別名ナツボウズ、冬に葉をつけ夏には落葉することからこの名があるそうです。







雪の残る大山を左手に眺める気持ちいい稜線歩きで中弁天に到着です。
標高555mのこんもりとしたピークは、うっかりすると広い東の尾根に進みそうです。
落ち着いて北西へ、細尾根を下ります。




右手に鐘ヶ嶽を眺めて上弁天との鞍部をめざします。

鐘ヶ嶽の梵鐘のようなどっしりとした山容は小さいながらも貫禄があります。
古くから土地の人々と密接なつながりのある信仰の山です。
山頂直下に浅間神社が祀られ、南東尾根を辿る道筋には旧跡が点在します。







快適な稜線歩きで標高574mの上弁天に到着です。



 

上弁天から弁天見晴への登りはきょうのクライマックス。
脆い地盤に所々岩場もあり、手と足を使っての三点支持で慎重に登ります。
頑張って上った弁天見晴からは、霞んではいたけれど、江ノ島が見えました。





展望の良い弁天見晴から先は雑木の尾根に変わって、
真っ赤な藪椿がこの時期ならではの風情です。
見晴広場Bの指導標はなかなか渋いのですが、
要の地形なので新しい指導標に変える頃合のようです。

昼食休憩に展望の良い見晴広場Aまで足をのばします。
見晴広場Bに戻って山の神まで下ったら鐘ヶ嶽山頂に登ります。




リーダーがイヌワシの像を見つけました。
撮れと言われてもむつかしいよ…鳥に見えるかなぁ?

左に二の足林道の分岐を見送り、
無意識だと真直ぐ二ノ足林道へ下ってしまいそうな
山の神の分岐をきっちり見落とさず、左に入って急な傾斜を下ります。




山の神峠に着きました。
午後になっても明るい陽射しが届き、予報より良い天気になりました。





植林に囲まれた鐘ヶ嶽山頂です。
等身大の2体の不動明王像が、他ではあまり見かけない立ったお姿で簡素な台座に据えられています。

三組の登山者が寛いでいて、
賑やかな私たちも静かに、寛ぎの輪に入れて貰います

あとは北尾根を北に下ればいいだけです、参りましょう!





北尾根、標高420mの福神山の祠です。
午後の陽を受け、ふたつ寄りそって静かに佇んでいました。

ここまで順調にきました。





昔、石切場のあった場所とか。
この辺りには西の谷太郎林道への径路や東の別所温泉への径路等
尾根越えの経路が何本かあるようです。





最近整備の手が入ったようで、歩きやすい道が続きます。
三角点峰に寄ります。
北と東が開けて、北の煤ヶ谷の集落、経ヶ岳、華厳山など展望が楽しめます。

残る高みは2つ、鞍部の石祠に最後の安全を祈念します。
最後まで迷うところもなく15時22分、清川村道の駅に到着しました。
楽しい1日でした。





2016年2月8日月曜日

山梨百名山  白鳥山





白鳥山に誘われました。
初めて聞く山名をネットで検索すると、山梨百名山の一つで標高は567.7m。
富士山の眺めは「関東富士見百景」に選ばれていて、山梨県は「恋人の聖地」に指定しています。
山頂には、「恋人の聖地」の雰囲気づくりでしょうか、くり抜かれたハート形に富士山がすっぽりと収まるモニュメント
やおしゃれな鐘が設けてあります。
白鳥山森林公園の駐車場からは15分で登れるので夕景の富士山を楽しむには格好の山のようです。
私たちが上る芝川町・本成寺からのルートは、整備された登山道を危険な場所や迷ったりする場所もなく、
1時間10分で登れるようです。

山の会の仲間とは、半年振りの登山、しかも易しい山だからと高を括って、
“地形図を出すほどのこともないし、リーダー頼みだわ”と楽しみばかりの緩んだ気分で当日を迎えました。
果たして、緊張を欠いた登山の結末は?







7:00車2台で出発、登山口を9:00出発
本成寺墓地脇から竹林の坂を上った集落の民家の庭先をかすめるように過ぎると
山裾に広がる茶畑から山道に入ります。




茶畑から4分で塩出の分岐を示す標識が現れて、"帰りはここから塩出の集落に向かうのかしら”
と呑気に考えていました。
“ここら辺りはタケノコが取れる”と誰かがいっていた通り、登山道は暫く広い竹林の中を行きます。





竹林がすっかり稙林に変わると少し傾斜がついてきました。
右手に七面宮跡地に直登する石段が現れましたが、わたしたちは巻路を行きます。
ここが登山口の絵図にあった七面山広場で9:26分に到着、ほぼ案内の時間で上ってきました。





植物は時期的に少ないのですが、山藍が雄花をつけていました。
藍染め(青)の原料になるのはインドシナ原産の蓼藍(タデアイ)で山藍とは別のものですが、
古代にはこの山藍で緑色を染めたようです。



日影に強いアオキは植林地でも元気に赤い実をたくさん着けていました。
林床のいたるところに実生の若苗が育っていました。

フユイチゴも赤い実をつけますが、大好物にしている誰かさんに食べられてしまって
赤い蔕(へタ)だけが残っていました。




赤い実をつけた背の高いアオキが頭上を賑やかせますが、
ここは胸突き八丁、どうしてもうつむきがちな姿勢になってしまいます。
1本とりましょう!




天気は曇りがちですが、富士山の展望は思いのほかクリア―です。

10:30ですが、山頂広場で食事にします。
みなさんアツアツのカップラーメンを美味しそうにいただいていましたが、
増えすぎた体重を落とさなければならない私はおむすびを一個とミカンを1個です。
食後の別腹も“怖い~”と辞退…!。



おなかを満たしたら、あとは下記の予定で下山にかかります。

本成寺(830)…白鳥山(1100・昼食1200)…林道岐路(1210)…塩出集落(1300)…相沼集落(1330)…本成寺(1400

果たして、山を軽く見た報い、山の神からとんだしっぺ返しを受けます。



11:30、元来た道の途中から塩出に下ると思っていた私、山頂を西に別の道を下るようです。
リーダー任せの横着を決め込む私、これから起ころうとしている変事に気づくはずもありません。

石段の先端に10㎝幅に木製の部分が足してある手の込んだ階段が続きます。
“危ないよ”この階段、濡れると木製部分が滑って転倒するかも なんて憎まれ口をきいている間に
広い舗装道路に出ました。
帰ってから気づいたのですが、舗装道路を右に少し登れば白鳥山森林公園の駐車場があったはずです?
あぁ、ミツマタがこんなにたくさんなどとペチャクチャ賑やかにお話ししながら左にとっとこ下ります。

やがて隋縁カントリークラブに至ったところでリーダーが“おかしい”と思い始めたようです。
しかし、予定のルートから外れたけれど登り返すのも…“まあこのまま進みましょう”。
定石破りもリーダー頼りの私です。





最初の内は、林床を覆うウラジロに、京都の東山でウラジロを滑って遊んだ話が出たり、
イイギリの赤い実やかば色のサンシュウの蕾を“なぁ~んだ”といい当てたりし乍元気に歩いていた一行でしたが、
舗装道路歩きが1時間30分に及ぶと疲れが出てきました。


   十島駅に掲示の周辺地図

 

スマホの地図で確認しても、十島(とおしま)に行くのが最良の選択のようです。
さらに30分黙々と歩いて13時30分に身延線の十島駅に到着しました。

ところが芝川行きの電車は1時間以上待たなければなりません。
運転手さんにタクシーで本成寺まで車を取りにいって貰って、帰途に就いたのでした。



家に帰ってから地理院地図で白鳥山の地形図を出して見ました。
白鳥山ではでてこなくて芝川町で出てきました。
登山道も山梨側からは記載がありますが、静岡側の芝川からは七面宮跡までしか記されていません。
塩出へのルートの記載もありません。
塩出へは標高460mの舗装路ヘアピンカーブから県境尾根に取り付いてP316へ南下するとよかったようです。

高を括る山ではなかったのです。反省しきりです。

2016-02-06 登山