2015年3月29日日曜日

屏風岩山

2015年03月25日(水)

さくらの開花が発表されましたが、三椏の花はどうでしょうか?
屏風岩山の辺りに群生地を訪ねました。



【山名】屏風岩山(標高1050.6m)

【山域】西丹沢

【コースタイム】新松田7:15バス=あしがら荘入口BS8:38…9:00岳山堰堤…P669下の尾根合流地点9:40
         …10:15ミツマタ群生地…屏風岩山東尾根分岐10:39…10:50屏風岩山東峰(1050m)11:37
         …11:43屏風岩山山頂(1050.6m)11:47…12:18大滝峠12:20…12:38大滝峠上12:45
         …13:21一軒家避難小屋13:30…地獄棚巻道下見…14:40大滝橋BS14:47
         =15:27jR御殿場線谷峨駅15:54=松田駅




笹子沢沿いの林道終点から河原に降りると、従来の堰堤とは様子の違う岳沢堰堤が見えて来ました。
巨大な鋼鉄の柱で組んだ水門をくぐり抜けます。




笹子沢左岸の檜林から尾根に出る明瞭な踏み分けを辿って、
標高650m 地点まで登ると岳山からの尾根が合流します。
木の幹に残された痕にドキリとします。




669ピークを巻いた先で急登が始まるとミツマタの花群れを散見するようになります。
標高750mから850mにかけての群生地が見所です。




ミツマタは杉や檜の林と相性が良いようです。
薄暗い傾斜地の群落にひとたび光が届くと、その時を待っていたミツマタは、黄金色に輝きます。





屏風岩山山頂は、標識の類がかたずけられてすっきりしていました。
春浅い、芽吹きを待つ森が広がります。




屏風岩山から大滝峠に向かう稜線から権現山とその奥に檜洞丸を展望します。


この日は風が冷い一日でしたが、こんな日だからこそ空気が澄んで、富士山がこの通りでした。





大滝峠上からは東海自然歩道で大滝橋に下山します。

朽ちた指導標をみて「丹沢が東海自然歩道で一番の難所」と言った友達の言葉を思い出しました。

ステタロー沢から大滝沢の渓谷沿いにつけられたこの東海自然歩道ルートは、澄んだ流れと滝を眺め、
鳥のさえずりに聞き入り、可憐な花と出会える私のお気に入りのルートです。
指導標識をしっかり整備して貰って、東海自然歩道を歩く多くの人に楽しんでもらいたいと思います。




渓谷の森にキブシのきいろい花房がいち早い春を告げて、いよいよ山の花のシーズン到来です。
あの山のあの花、この山のこの花、訪ね歩く山旅が楽しみです。



きょうであった花

オニシバリ

ジンチョウゲ科
樹皮が強く、鬼も縛れるという意味でつけられた名前。
夏には落葉するので【ナツボウズ】とも呼ばれます。 

硫黄苔
小さい小さい赤い帽子をかぶったよ。
ついた名前はイオウ苔ですが、地衣類に分類されます。
海外では【モンローリップ】とも。
 
 
ハナネコノメ
ユキノシタ科ネコノメソウ属
ネコノメソウの仲間ではムカゴネコノメソウと並んでもっとも早く咲き始めます。
愛らしさにフンが多い。
 

ムカゴネコノメソウ
実の形が猫の目に似ていることからつけられた名前ですが、
地下に這わせた走出枝の先端に珠芽を作るので
ムカゴネコノメソウと命名されました。

ヒナスミレ
スミレ科
ヒナスミレが河原に一株だけ咲いていました。
上流から運ばれてきた種が奇跡的に花を結んだのでしょう。
高尾山のヒナスミレは今年はどうでしょう?



2015年3月24日火曜日

本間ノ頭 栂立尾根(つがだちおね)

2015年03月22日(日)

【山名】丹沢三峰東峰(本間ノ頭・標高1348m)
栂立尾根は清川村と相模原市の境界線、本間の頭から起って北東に延び、宮ヶ瀬湖に落ちています。

【山域】東丹沢

【コースタイム】本厚木駅(バス)6:55=7:53宮ヶ瀬BS…8:08早戸川林道…8:44金沢橋・登山口8:56
          …9:33ぬた場…9:38鉄塔9:42…タロベエ峰(532m)9:44…9:48脚立越え10:03
          …10:32六百沢ノ頭(732m)10:40…急登…10:59栂立ノ頭(つがだちのあたま849m)11:07
          …11:09痩尾根…11:30広尾根の上り…11:40昼食(標高1030m)12:14…P1043m
          …12:28鐘沢ノ頭(1108m)…12:59本間ノ頭北西尾根分岐…13:13本間ノ頭(1348m)13:25
          …丹沢三峰縦走ルート…14:32金冷シ…金冷シ指導標14:39…14:53高畑山のぼり口
          …御殿森ノ頭通過15:27…山の祠15:5…16:15三叉路BS…16:51宮の平BS=本厚木駅



金沢橋の光景。



宮ヶ瀬バス停から早川林道を40分の金沢橋では、きょうも釣り糸を垂れる人に出会いました。

金沢橋のたもと、栂立尾根の取り付きです。
すず竹を掴んで登る急傾斜もしばらくの辛抱で、すぐに穏やかになります。



 タロベエ峰手前の新多摩線32号鉄塔広場から宮ヶ瀬湖方面を展望します。

 タロベエ峰は植林地の中の狭いピークです。
初めて見る手製の山頂標が下っていました。



タロベエ峰直下で鹿柵を脚立で越えます。

もう一度脚立を越えて、小広いアブラチャンの斜面を上って六百沢ノ頭に到着です。




きょう一番の急登は栂立ノ頭の手前。


 名前の通り栂の木が多いピークです。





栂立ノ頭からゆるく下って、上り返して行くこの辺りは、雑木の森に苔の痩尾根や岩の多い痩尾根、尾根の合流など変化に富んで楽しめました。

     
樹間に見え隠れする虹の大橋




標高950mから広いブナ林になります。
ガスが出ると方角が判らなくなりそうです。


1043mピークの肩、標高1030mの倒木のベンチで長休みです。
穏やかな春の日、小鳥のさえずりを聴きながら山に在る幸せをかみしめます。

まだ雪の残るピークが望めます。
蛭ヶ岳かな!そう思ってみると、ポコンと山小屋らしい出っ張りがが見えます。




1043ピークで勘違い、この標識が見当たらないと探し回りました。
鐘沢ノ頭はも一つ先のピークでした。



鐘沢ノ頭を過ぎるとしばらくの間心地いい空間が待っていました。
アセビも多くなりますが、ことしは花つきが悪いのでしょうか、パラパラとしか咲いていません。


 

本間橋に下る本間の頭北西尾根の分岐、割れた指導標が置かれて、栂立尾根側にはロープが
張ってあります。




崩壊気味の痩尾根を進んだ先で尾根は広く穏やかになって馬酔木のトンネルをくぐります。


左右に尾根が出てきて小さな二重尾根の間を穏やかに登ります。


左の尾根に取り付いてから暫しの急登で、きょうのピーク本間ノ頭に上りつきました。
小腹休憩の間に、塔ノ岳から縦走してきた単独の登山者が二人、丹沢三峰縦走コースを下って行きました。
私達もここからは同じ一般道で宮ヶ瀬三叉路に下山します。



上ってきた栂立尾根を左手に望む下山路です。


金冷シから望む宮ヶ瀬湖




天気予報通り、松小屋ノ頭を過ぎると雨が落ちて雷もとどろきだしました。
そのうち雨雲は通り過ぎ太陽が再び顔をのぞかせると、宮ヶ瀬湖の上に虹が湧きました。




いま山の賑わいの主役、ダンコウバイ。
同じころに咲くアブラチャンと見分けがつき難いのですが、枝に直接花をつけるダンコウバイ
に対して、アブラチャンは枝と花を結ぶ柄があることで見分けます。



いよいよ菫の季節です。
三叉路バス停の土手に西陽を受けて咲いていました。





2015年3月18日水曜日

大山三峰 宝尾根から八丁経路

2015年03月14日(土)途中少しの間雪がぱらつく

【山名】 大山三峰(標高934.5m)

【山域】 東丹沢

【コースタイム】本厚木BS(バス)6:50 =7:51煤ヶ谷BS…宝尾根取り付き8:15…8:36P362
         …9:13P5129:18…9:53P77710:02…10:03痩せ尾根の通過10:41七沢山10:45
         …10:59大山三峰山頂11:29…12:02アケビ平…12:11…12:35惣久経路ノ頭
         …12:41八丁経路ノ頭12:47…14:15谷太郎林道着地…煤ヶ谷BS15:04…15:35厚木BS

今日は土曜日、宮ヶ瀬行きのバスは満員です。
発車時間近に乗り込んだ私は当然座れなかったのですが、目の前に知り合いが二人、
二人がけの席に厚かましく割り込ませてもらいました。


 煤ヶ谷集落の奥、山が迫る民家に築かれた素朴で美しい石垣。
「野積み」という築き方だと仲間に教えて貰いました。




 水ノ尻沢と不動沢の界尾根八丁経路を見送り、不動沢と鳥屋待沢の界尾根惣久経路も見送り、
鳥屋待沢に架かる橋を渡ると「清川宝の山」の標柱が目に入ります。
今日はこの【宝の山】を上ります。




急な取り付きをこらえて乗った尾根は、枝打ちされて幹がまっすぐに整えられた檜の人工林です。




サクサクと穏やかに進むと植林地は右手だけになり左手は雑木林に変わりました。
短い急登で植林地の中の362ピークに上りました。
豊かな森は神奈川県の水瓶です。




植林の急登をこなすと樅の大樹が目を奪う512ピークです。
私達はピークに届く僅か手前でピークを外して左前方の窪地に降りていきました。
512ピークからは4本の顕著な尾根が出ていますが、
辿って来た北東尾根(宝尾根)と南東に延びる枝尾根との間の源頭はのびやかで気持ちの良い展望テラスです。
ここで小腹休憩を取ります。



見えている左の枝尾根で512ピークに上って、樅の巨樹にご挨拶。

雑木林に点在する樅の巨木、 明るい広尾根の自然林を777mピークまで快適に辿ります。




     【きょうの核心】
果たして777ピークからは一転、七沢山(標高.910m)まで心臓破りの連続です。





七沢山で大山三峰山の稜線に出ると、ここからは一般登山道です。
尾根は変わらず急峻ですが悪場にはしっかりクサリが設けてあります。


         山頂三等三角点
宝尾根で出会う登山者はなかったのに、三峰山山頂では、数組のパーティと鉢あわせ、狭い山頂が賑いました。
あるパーティの席を取りたくて追い立てる行為は、見ていて残念でした。




三峰北峰を梯子やクサリで辿ってさしかかる崩壊地。
ザレの斜面にしゃんと息づく健気な木を見ながら「いつまで存えることができるか」と、仲間が心配します。




標高765mまで下ると、急峻な地形を這いあがってきた溌溂とした二人連れに出会いました。
不動沢を遡行してきたのだそうです。
私達がこれから下ろうとしている八丁経路とほぼ並行して谷太郎川に出合うのが不動沢です。
三峰山域のヤマビルの恐怖に、水の冷たをいとわずあえてこの時期を選んで入渓する人が多いのです。

稜線から八丁経路に入ると、下りはじめは急傾斜が続きます。
尾根幅も大きな樅の木も宝尾根には劣りますが、そこそこの尾根です。
花の少ないこの時期、奥ゆかしく咲くシキミや馬酔木に和みます。

下部で鹿柵が出てきて、鹿柵に挟まれて歩くところもあります。
危険ヶ所も道迷いヶ所もほとんどないので、下りに使える経路です。


【八丁経路に咲いていた花】  馬酔木

               シキミ

きょうも楽しい山歩きでした。
3月も中旬、山ビルの恐怖なく東丹沢を楽しめる日々は残り少なくなりました。