2013年7月29日月曜日

梅雨の花

6月と7月はよく雨に降られました。
梅雨が似合う花に出会いました。

早池峰ウスユキソウ
花に置いた露がアクセサリーのようでした。







花は中心の黄色い部分、花に見えるフランネルのような苞葉と呼ばれる部分をライオンの足のようだと見立てた学名がついています。


 
ミネウスユキソウ
雨にぬれる姿が清楚でした。
ウスユキソウの高山系変種だそうです。



苞葉が早池峰ウスユキソウと比べると広いようです。




ミヤマトウバナ 
花穂の雫がシャンデリヤのようでした。
輪生した花穂が層になり塔のよう見えることから名がつきました。
額を見るとシソ科の植物だということがよくわかります。







2013年7月22日月曜日

甲相国境尾根  鉄砲木ノ頭(明神山)から大棚ノ頭

丹沢主稜のうち山梨県と神奈川県の県境部分の大室山から三国山までのおおよそ20Kは、甲相境界尾根と呼ばれます。なかで山中湖の東を走る三国峠から高指山の間は夏でも涼しい稜線歩きができます。



 

御殿場駅からバスに揺られて一時間、旭日丘のバスターミナルでレトロなバスに乗り換えて5分、
三国山ハイキングルート入口に到着です。
ここから山伏峠まで甲相国境尾根の約半分10Kを北上します。




雑木林からやがてカヤトの原に入るとすぐにパノラマ台の展望駐車場です。
富士山と山中湖の展望が素晴らしいところですが、富士山が世界遺産になってから
初めてまじかで眺める機会でしたが、残念ながら厚い雲に阻まれてしまいました。


カワラマツバ
シロバナイナモリソウ
トイレの横からカヤト茂るスコリア(富士山の降灰)の傾斜地を登っていきます。
ホタルブクロやオダマキ、ノハラショウブ、カワラナデシコなど写真に収めながらゆっくり上ります。

鉄砲木ノ頭(1291m)でも期待の展望は望めませんでした。





鉄砲木の頭は西面はカヤトの原ですが、北東面は雑木の森です。
ここでもバイケイソウが元気でした。





気持ちの良い尾根を霧に包まれて標高1000mの切通峠まで290m下りました。




切通峠は十字路になっていて南は三国山に、北はこれから向かう高指山、西は平野に、
東は丹沢湖の世附や不老山に通じています。
しかし、世附へは崩落があり通行できないとの掲示が張ってありました。




高指山でランチタイムです。
30分の間に眼下の山中湖は一度顔を覗かせはしましたが、すぐに霧に包まれてしまいました。






高指山を後にバラシマ峠、富士岬平と辿る界隈は
”アブラチャンの純林”や”ブナ三昧の尾根”など豊かな森が続きます。




今日初めての鎖場が現れて本気を出して上り、この笑顔です。

すぐに大棚ノ頭(1268m)に着きました。



ここで東海自然歩道と別れて、山伏峠へのルートに入ります。
トンネルの南側の廃業の山中湖高原ホテルの敷地を通るルートに変わってトンネルの東側のルートが一般化しているようで、今回はそちらに下山しました。

15:10分に1日1本のバスがありますが、13:55分にバス停に着いてしまいました。
元気な仲間は一時間以上も待てないと先のバス停へと歩きます。
14:40につくし別荘地入口バス停に到着して、夏休みに入ったばかりの子供たちが、
サッカー合宿で汗を流す様子を眺めながらバスを待つことにしました。

ところが予定時刻をを30分過ぎてもバスが来ません。
事情を察知したグラウンド管理の人が私たち7人を軽トラで平野バス停まで送ってくださいました。
警察に見つからないようにと体や頭を縮ませて乗るオープンカー、ひやひやドキドキでした。

お陰様で涼を求めての登山、完結の巻です。


登山口バス停9:15…9:39パノラマ台 9:47…10:16鉄砲木ノ頭10:25…11:07切通峠11:11
…11:46高指山12:15…12:21バラシマ峠…12:28富士岬平ら12:38…13:09鎖場
…13:20大棚ノ頭…13:55山伏峠バス停14:10…14:43つくし別荘地入口
=平野バス停15:43=15:56旭日丘バスターミナル16:26=17:06御殿場駅17:10

2013-07-20 ハイキング




2013年7月19日金曜日

千枚岳から聖岳縦走 百花繚乱の稜線

8/24
 静岡発畑薙第1ダム便は8月22日で運行終了していました。
ちょうど居合わせたもう一人のうっかり氏と4人でタクシーを拾いました。(2万円)
 畑薙第1ダムから椹島に乗り継ぐバスの停留場が道路崩落の為20分先に移動していました。
そこへ通りかかった軽トラが乗せてくれると止まってくれました。
はたして私たちの旅はついているのでしょうか?!

暑いシラビソ樹林帯の上りに清水平(しょうず平)の水場到着は無上の喜びです。
伏流水が5メートルの間地上に湧き出して流れています。
清水平の冷たい水に助けられようやく到着した千枚小屋は広~いお花畑の中にありました。

8/25
歓喜の朝が明けました。
千枚岳の山頂で件のうっかり氏に再会しました。無性に懐かしく、一緒にコーヒータイムを楽しみます。
やおらU氏(以後こう呼ぶことにします)が縦笛を取出し吹き始めました。
焼けていく富士山、赤石岳に悪沢岳、贅沢な至高の時が流れます。
サプライズはこれだけではありませんでした、今始まったばかりでした。
花、花です。花のじゅうたんがこの先ずっとずっと敷き詰められていたのです!

悪沢岳へ、ガレの縁のやせた稜線の岩場といわずいたるところにタカネビランジやタカネナデシコ
などの花々で彩られていたのでした。
この年2007の南アルプスは百花繚乱大爆発の年でした。

悪沢岳3141mの山頂標は荒川東岳となっていましたが、大岩の重なる
山容は深田久弥氏が「悪沢岳」と言って譲らなかった気持ちが理解できます。
悪沢岳から大きく落ち込んだ鞍部に下り上り返すと、避難小屋の立つ荒川中岳3083mの山頂に着きました。
成り年のカールのお花畑に興奮しまくって写真撮る私たちを横目に、
「あの人等は声も撮りはるから…」とおちゃめなU氏。
山慣れたU氏に比べると私たちの歩くテンポは乱れがちU氏についたり離れたりを繰り返します。

大聖寺平への長いトラバースに続いて小赤石岳の急なのぼりに乱れきって、赤石岳山頂に着くと、温かいココアを淹れてU氏が待っていてくれました。
美味しさと言ったら…それから私もココアを山に持っていくようになりました。





千枚岳辺りから赤石岳


赤石岳3120m、赤石山脈の盟主らしい堂々とした山容。
山頂には貫禄の一等三角点がありました。

今宵の宿、百軒洞山の家に向かいます。



8/26
4:40百軒洞山の家を出発、大沢岳との鞍部から私だけ(百高山)大沢岳2819mを往復してきます。

中森丸山2807mへは1時間の急登です。
気持ちが焦るだけでなかなか追いつけなくて苦しいばかり。
恵那山が西に姿を現し、昨日辿ってきた山々、北アルプスまで確認できます。
カメラを据えた先客がいて…夕べ岩手の焼石岳を自慢していた人です。
福島から来られている84歳の元気なおじい様です。
私も願わくば80歳くらいまで元気で山登りしていたい、あやかりたいなぁ。

兎岳2818m、標高差150mの標高差が苦しい。
それだけに山頂に立って眺める展望の素晴らしさ。

悪沢岳と赤石岳の真ん中に雄々しい姿を凛と際立たせた甲斐駒ケ岳。
お山の団十郎!

聖岳は両翼を持ち上げ狩りに飛び立とうとする瞬間の大鷹を思わせる迫力の山容で目前に迫ります。

遠山川西沢源頭の崩壊もすさまじい。
明日をもしれぬ危うい断崖に咲き誇る植物のたくましさ、したたかさ、健気さに胸を打たれます。

ラジオラリヤ岩盤の踏みしだかれザレた登山道から樹林帯に入り標高を稼いで広々としたハイマツ帯に出たものの、偽聖が現れたりして本峰は思いのほか遠く感じられます。
とぼとぼと岩屑の路を詰めると今度こそ本物、最南端の三千メートル峰、聖岳3013mが姿を現しました。


百軒洞山の家の赤い屋根がみどりの谷間に鮮やか!

奥聖岳の山頂には三等三角点。
赤牛岳はというと牛のお尻を真後ろから見たような鈍重な格好に見えます。
オ~イ!と手を伸ばせば、尾っぽに届きそう?

足元から東に延びる尾根は冬季にのぼられる聖岳東尾根かしら?
踏み分けがはっきりと見えます。ということは冬期に限らず辿る人が多いということ。

薊畑の花たちも生き生き爛漫。
「今年は根を荒らすネズミが少ないので花はもちろんだが、葉がきれいだ」
と聖平小屋の小屋番さんも太鼓判をおします。

8/27
思いがけない変な出会いから、いろいろ助けてもらったU氏。
ありがとうございました。

圧倒的な花の饗宴。
沢山の幸運に恵まれて、長丁場を事故なく歩きとおせました。
最高の山旅でした。




2007-08-24~27 登山

標高順位


*2014年4月、国土地理院の改定により赤石岳の標高は1m高くなり、3121mに、
  荒川中岳の標高は1m高くなり、3084mになる。


 6位悪沢岳3141m /7位赤石岳3120m→3121m 


 13位荒川中岳3083.2m→3084m

 21位聖岳3013m /55位大沢岳2819m /56位兎岳2818m

 61位中森丸山2807m
                    





                                      





       

 

2013年7月17日水曜日

早池峰山(標高1971m)鶏頭山(標高1445m) 縦走

東法田山愛好会公募の神室山縦走が大雨警報で中止になり、かわりに早池峰山に登りました。
ここ一週間東北地方に居座り続けている梅雨前線の為、縦走路は長靴が必要なほどぬかるんでいました。
その反面花たちは瑞々しく咲き誇っていました。


河原の坊登山口からコメガモリ沢のルートに入ります。
時折小雨降る空模様でしたが途切れない登山者はさすが人気の早池峰山です。


山名や花の山からイメージする優しさとは裏腹に登山道は岩場が連続する男性的な山です。




その岩の間やザレ場に梅雨の雫をまとった高山植物が可憐に顔をのぞかせます。


 
ハヤチネウスユキソウはハイシーズンを迎えていました。


早池峰山は一等三角点の山です。早池峰神社の祠と岩頭には刀剣があまた奉納されています。


山頂に暫し寛いだ後は縦走路を中岳へと進みます。
蛇紋岩は濡れると滑りやすく不安定な足元が気苦労です。


マルバシモツケ



カトウハコベ


コバノツメクサ
ヨツバシオガマ

ナンブトラノオ

チシマゼキショウ


ミヤマアズマギク、ミヤマオダマキなど蛇紋岩ならではの鮮やかな彩づきに足が止まってしまいます。
ムシトリスミレやチシマフーロ、ハクサンシャクナゲ、イソツツジに混じって
ミヤマアケボノソウの蕾が沢山ありました。





岩とハイマツ、キャラ、コメツガが織りなす造景は日本庭園を行くようです。

そこを過ぎるとぶすぶすと泥にはまる登山道が続くかと思えば岩稜を行くといった具合に中岳(標高1679m)、鶏頭山(標高1445m)と辿る登山道は時間がかかりました。





15:00少し前に岳の集落に下山すると早速、小川で泥だらけの靴を洗いすっきりします。
その後お風呂にも入れてもらってさっぱりすることができました。
新花巻駅まで送ってもらって23時過ぎには自宅に帰ることができました。

6月に引き続いて7月も東法田山愛好会の皆さんにお世話になりました。
素晴らしい神室山の展望が望める日まで神室山に通うことになるでしょう!


早池峰山登山道5:40…渡渉点6:00…8:50早池峰山山頂…10:40中岳山頂…13:32鶏頭山
…13:35ニセ鶏頭山…15:00岳集落


2013-07-14 登山

百名山100/98座